イロコトのバックエンドエンジニアの松尾です。Project:;COLD2.0 ALTÆR CARNIVALで RTAS のシステム開発を担当しました。
また Linux サーバーハッキングの構築担当もしていて、ハッキング予定のサーバーを自宅に設置していたので IP アドレスから参加者が住所を特定しかけていて焦ったりしました。
誤差500m
YouTubeのチャットに入力された文字に対応して、配信内でアクションを起こすシステムです。(リアル・タイム・アンサー・システム)
COLD2.0ではこのシステムを使って、ライブ配信で謎解きを出題し、視聴者がチャットに答えを打ち込むことで、リアルタイムに多人数が謎解きを進行するというゲームが行われました。
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本企画ではキャラクター5人がRTASを使って謎解きタイムレースを行い、参加者は5人のキャラクターの中から応援したいキャラのライブ配信を見て、それぞれの配信毎にクリアタイムを競い、最も遅かった配信の子は処刑され、次回の配信から参加できなくなるというデスゲーム方式でした。
ゲーム開始時点では誰が脱落するか運営にも分からない、もしかしたら自分が回答することでキャラを脱落の運命から救う救世主になれるかもしれない、そんな筋書きの決まっていないゲームを行いました
その様子はアーカイブにてご覧いただけます
イロコトではこれまでにも Project:;COLD のサイト制作を手掛けてきたのですが、次回の仕掛けとして、ネットを使ったユーザー参加型企画が可能か打診をいただきました。
最初に大枠のやりたいことを伺って、実現できるか技術検討を行い、次に期間と予算の面から実装方法を検討して、実現方法のパターンをいくつか提案して、使い勝手のいい方法から、機能の摺り合わせを密に行わせていただきました。
特に今回はゲームが長期間(約3ヶ月)に渡ったため、企画が走りながらゲームの仕様変更や追加が多かったので、ユーザーの楽しいを最大化するためにどう実現するか考えるのに必死でした。
最初に RTAS の仕様で決まったことは、
・YouTubeで特定のキーワードのチャットに反応して、画像を表示/消す事ができる
という事をベースにはじめて、振り返るとずいぶんと膨らんだ企画になったと思います。
初期の企画書案から、実際に動くようになった画面を見ることで、企画のイメージが膨らんだり、足りない部分が見えたりと、随時、意見を取り入れながら柔軟な対応ができるアジャイル方式で開発は進んでいきました。
業務のやりとりはSlackとZoomのリモート中心で、実際に対面してお会いしたのはゲーム配信当日が初めてでした。このあたりリモートでもスムーズに仕事が連携できる環境は、コロナ禍で一気に進んだなと思います。
イロコトのオフィスは東京にありますが、遠方からでも気軽にご相談ください。
仕様や要素の変更調整をギリギリまで対応していたことによる苦労は正直多くはあったのですが私自身もゲームクリエイター出身なこともあり、面白くなるアイデア、ユーザーの体験が良くなる事には基本的に賛成で、こちらからもプレーヤーの体験が向上するようなアイデアを提案してギリギリまで走りながら色んな仕様が盛り込まれました。
結果的に非常に満足度の高いコンテンツに仕上がったと思います。
イロコトではお客様からの要望に柔軟な対応が可能です。
1番の山場は最初のデスゲームの配信当日でした。
もし RTAS がバグで止まってしまったら?
同時配信によるタイムレースという企画そのものを崩壊させかねないというプレッシャーが常にありました。最後までゲームが止まることなく完走できただけでも十分に良かったと現場で言っていただけたのですが、細かいバグがいくつも出て、その度に心臓を掴まれる思いでハラハラしつつ、色々と申し訳ない気持ちもありました。
生放送が終わった後も、家に帰って全員の配信アーカイブをチェックして、挙動の確認とデバッグ、アップデートの繰り返しのゲーム期間でした。
イロコトは基本的に エンタメ系中心のWeb制作の会社ではありますが、エンターテインメント分野でネットを使ったアプリケーション開発、運用も承っております。クライアントの「こんなことを実現したい」に、可能な限り、ときには限界を超えてお付き合いさせていただく場合がございます。お仕事の相談、RTASを使ってみたい企画など、エンタメの相談を幅広くお待ちしてます。
限られたリソースで効率よく実装するために、YouTube からチャットを取得する部分は、既成のツール「わんコメ - OneComme」を使わせていただきました。使い勝手がよく非常に安定していて大変感謝です。
私自身は Discord での攻略の進行を追いつつ、参加者の推察に何度もうんうん頷いてました。
以下、COLD2.0 Linuxサーバーハッキング攻略中の様子を紹介します。
Linuxハッキングが行われた当日のハッカー対策室
Linuxサーバーをハッキングして謎解きをしている参加者(融解班)の様子
攻略が進む中、ふざけて妨害を仕掛けてくる参加者が現れ混乱が発生した
Linux サーバーの IP アドレスから物理設置場所の特定について、運営事情に思いを馳せてくれている参加者、冷静な推察に感謝
謎を次々に解読し、最後のサイト破壊コマンドを実行
Linux の専門知識や、謎を解く高度な能力を持ち合わせていなくても、進行を見守りながらずっと待機していた人にも自分にも出来ることあって出番がきたのか!?と喜びの言葉に私には見えて、深く印象に残りました。
a_matsuo