イロコト代表の穂刈です。
最近はおかげさまで様々なエンタメ系の企業様とプロジェクトを進行させて頂く機会も増えまして、お客様の作品(アニメ/ゲーム/漫画等々)に触れることが仕事であり趣味みたいな感じです。
さて私がブログを書くのは久々なのですが、エンタメ系の「ティザーサイト制作」について弊社での実績事例も紹介しつつお話したいと思います。
弊社イロコトでは、アニメの新タイトルだったり、ゲームの新作発表だったりなどのタイミングで、「情報は多く公開できないが新規発表をするので話題にさせたい」という内容のご相談を頂くことが結構あります。
何をもって話題になったか?というのはプロジェクトによって様々ではありますが、アニメ/ゲーム等のエンタメ系作品ですと、「Twitter上でどれだけ話題になったか≒ツイートされたか?」というのが一つの指標/KPIになります。
では、どうすればティザーサイトをツイートしてもらいやすく出来るのか?そのポイントについて解説します。
目次
ティザーサイトのご相談を頂く際に、よくお聞きするのは「ロゴと新作発表くらいしか言えることが無い」というケースです。恐らく世のティザーサイトは多くは、この「ロゴと新作発表」という情報だけをサイトに掲載して終わってしまっています。これは意味が無くはないものの希薄です。
私からは「ロゴと新作発表情報のみで話題になるのはワンピースとかドラクエのようなIPの新作発表くらいです」とお伝えしているのですが、国民の誰しもが知っている超ビッグタイトルであればさほど企画を考えずとも話題になると思われるものの、そうでなければ普通は話題にはなりません。
ただそこに「SNS上で話題にできる情報(ネタ)」を入れることでより話題性を上げることは可能です。
SNSでティザーサイトについてツイートしてもらうためには、当然ながらツイートする内容がある必要があります。前述した「ロゴと新作発表」だけだった場合、想定できるユーザーからのツイートは、「新作楽しみ!」くらいの内容でしかないので、ここから話題が拡がりません。
ただ例えば、2020年の現在に「新作はコロナが収束する頃には公開。」という言葉にしたとしたらどうでしょうか? 例えが良くないですが(笑) この場合想定できるユーザーのツイートの幅が拡がることが想定できると思います。
「いつか分からないじゃん!」
「来年に出るかも怪しい」
「こんな曖昧な発表の仕方あるかよ」
等々、これはネガティブな反応になってしまう予測が立てられるのでお客様にオススメすることは実際無いのですが、内容の「意外性」があり、ツッコミを入れたくなる「言及性」があるので、ユーザーさんがツイートで反応しやすくなるというのはご理解頂けるのではないでしょうか。
この「意外性」「言及性」を利用しながらも、ユーザーさんに良いプロモーションと思って頂くための情報(ネタ)をしっかり考えていくのがティザーサイトを成功させるポイントになると思います。
それでは、ここを踏まえまして弊社で制作担当をさせていただきましたティザーサイトの成功事例をご紹介いたします。
2017年12月にULTRAMANのアニメ化の発表をさせることは決まっており、その際に話題にさせるためのプロモーションとしてティザーサイトを企画した事例です。 (現在のアニメULTRAMANのサイト:https://anime.heros-ultraman.com/)
前提として、
・ロゴは出せない(情報解禁日で発表のため)
・アニメ化発表は言えない(情報解禁日で発表のため)
・キービジュアルは出せない(情報解禁日で 以下略)
という感じで、どうしましょうと(笑
普通に考えればティザーサイトは情報解禁日で出すべきかなと思われましたがプロモーション効果を最大にしたかった。そこでお客様ともご相談を重ねた上で作成したのがこのカウントダウンティザーサイトになります。(ティザーなのでもうWeb上では見られません。)その時のニュースが下記になっています。
https://natalie.mu/comic/news/258537
情報は何も出せない状態でしたが「原作の漫画ファンがアニメ化を待望している」ということは分かっていました。それであれば「アニメ化とは言えないが、それくらいのインパクトがある情報発表をするぞ!」という期待を持たせられるWebサイトを公開することで、情報解禁を心待ちにしてくれるのではないか?ということでカウントダウンを大きく表示させるというデザイン手法を取りました。
カウントダウンページを作成するということ自体は、過去他作品等でもやられている手法ですので、これ自体に特段なインパクトがある訳ではありません。実はここでの1番のポイントは、「原作漫画のWebサイトを全て見れなくしてカウントダウンサイトのみを表示させた」ことです。
普通であれば、既存のWebサイト自体の情報を全て消すというのは考えられないと思います、ニュース等全て見れなくなるので、ユーザビリティという観点からすれば最悪です。ただここで「通常のWebサイトを全て見れなくしてカウントダウンのみにしている本気さ」が濃いファンには伝わりやすくなったはずですし、だからこそ「意外性」と「言及性」が出るのですね。
結果として、このカウントダウンページは大きく話題となり、アニメ化発表の際はTwitterトレンド入りを果たしましてプロモーションとしては成功といえる結果になったかと思われます。
2019年5月にアニメ化を発表した無限の住人-IMMORTAL-ティザーサイトの事例です。 (現在のアニメのサイト:https://mugen-immortal.com/)
前提として、
・アニメ化決定という情報は出す
・新作のロゴは公開できる
・キービジュアルは無し その他出せる情報も無し
という感じでした。これはティザーサイト制作では、結構よくあるパターンです。
下記が発表があった際のニュースです。
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1558537092
何も考えずにティザーサイトを作成してしまうと、この記事の前半でお話したように「ロゴと新作発表だけ」で終わってしまったと思います。ただプロモーションとしてはもっと効果を出せるのではないか?とご提案させて頂きまして制作させて頂いたティザーサイトのデザインが下記になります。(ティザーなのでもうWeb上では見られません。)
一件、変哲の無いティザーサイトに見えるかもしれませんが、実はかなり考え抜いたティザーサイトでして、結果としてTwitter上でかなり話題となりトレンド入りも果たしました。
実は、これ以外にも色んな企画をご提案させて頂いていましたが、このティザー企画案が1番エッジが効いており挑戦的でした。この企画案にGOを出されたお客様の判断には感銘を受けました。
原作を存じない方ですと伝わらないですが、キービジュアルで記載のある絵は原作最終巻での1番肝となる場面の絵です。つまりはネタバレと言われる可能性もある絵なので、批判も出る恐れがあったのです。
ただ何故このような絵を敢えて使用したかというと、
・アニメ化は実は初ではなく過去にもやったことがあった
・映画化もしたが、原作を最期まで描いたことはなかった(本作が初)
・本アニメでは最期まで2クールかけてやることは決まっていた(でも言えない)
という事情があったからです。つまりは言葉では言えないのですが、「2クール分の時間をかけてアニメ化を最期まで本気でやるんですよ!!」ということが伝えたかったのです。でも言えません。なので感じ取って頂くしかなかった。そこでこのティザーの表現になったということです。
結果としましては、賛否両論出ましたが概ね好評な反応が多く、察して頂けたユーザーの方も多かったです。ティザーサイトとしては成功と言える結果となったと思います。
2020年1月にアニメ配信を行った、バンドリ アニメ3期のティザーサイト事例です。 (現在のアニメのサイト:https://anime.bang-dream.com/3rd/)
こちらに関しましてはティザーサイトのみならず、本サイトでもかなり多くの企画と仕掛けがあったため、また別ブログで詳細にお伝えしたいなと思う程には、力を入れさせて頂いたプロジェクトでした。
前提として、
・アニメも3期なので、アニメをやるということ自体のインパクトは無い
・キービジュアルとロゴ以外の情報は特に無い
・ライブやゲームなどファンは非常に盛り上がっている状態
という感じでした。
既にファン層が厚く、話題性は比較的出しやすい状況ではあるなという感じだったのですが、それ故に生半可なネタではファンの心は動かせない。というプレッシャーもありました。
こちらもただ「アニメ3期開始!」という情報だけでは話題にならないことは分かっていることでしたので、色々考えた末に公開したティザーサイトのデザインが下記になります。
このバンドリという作品を知らない方からすると、どこぞの下北沢あたりのライブハウスのホームページにしか見えないと思いますが、これはバンドリのアニメの中で実際に舞台となっているライブハウスのホームページです。
ティザーサイトを作るという発想ではなく、作中のライブハウスのホームページを実在するかのように作成し、そのホームページを見ていくとアニメ3期が始まっていくことが分かるようになるという企画内容になっています。またアニメ3期の中で実際にこのライブハウスのサイトに登場人物が言及しているシーンも登場し伏線が回収されていくことにも繋がっていきます。つまりはティザーサイトというよりは作中のコンテンツのようになっているのです。
この企画はTwitter上では過去に例を見ないほどのツイート量を記録しまして、プロモーションとしては大成功と言える結果となったかと思います。実際のツイートは下記を参照してみてください。面白いと感じて頂けている反応が非常に多いことが分かるかと思います。
https://twitter.com/search?f=tweets&q=https%3A%2F%2Fgalaxy-livehouse.com
これはもちろんお客様の監修を頂かないといけませんし、お客様側のご理解とご協力があってはじめて実現でき成功できた企画です。簡単そうに見えて通常はハードルが非常に高いと思うのですが、このようなお取り組みをさせて頂けたことに大きな敬意と感謝があります。
弊社での実績事例も含めて解説させて頂きました、ここまでエンタメ系のティザーサイトに対して向き合おうとする会社はそんな国内でも多くないと思います(笑
読んで頂けると分かると思うのですが、お客様側のご協力無しには成功は出来ませんし、お客様と共に考えて練り上げていく側面が強いのがティザーサイトの特徴と言えるかもしれません。
このようなアニメ/ゲーム等でのエンタメ系のティザーサイトを検討されている企業のご担当者様はお気軽に弊社までご連絡くださいませ。
イロコト代表の穂刈
わりと騒がしいです。顔はオードリーの若林さんに似ているとよく言われます。エンタメ系全般好きです。